令和3年度以前知事記者会見

2019年3月26日(火)


知事発表:「世界クラスの資源・人材群」が83件に!、静岡デスティネーションキャンペーンの開幕、2020年度地域伝統芸能全国大会の本県開催の決定、ふじのくに地球環境史ミュージアムが「The Best In Heritage 2019」の日本代表館に選出
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、県議選、静岡市長選
幹事社質問:リニア中央新幹線
記者質問:静岡市長選、ふるさと納税、推計人口
記者質問:御前崎市産業廃棄物処理施設、新元号
記者質問:沼津駅周辺鉄道高架事業、静岡市長選、サクラエビ漁
記者質問:静岡市長選、駿河湾フェリー
記者質問:リニア中央新幹線

知事発表:「世界クラスの資源・人材群」が83件に!、静岡デスティネーションキャンペーンの開幕、2020年度地域伝統芸能全国大会の本県開催の決定、ふじのくに地球環境史ミュージアムが「The Best In Heritage 2019」の日本代表館に選出

(知事)

 本年度最後になりますか。そうですよね。本日のお花ですけれども、チューリップですね。フリージア、黄色がフリージアです。黄緑色、カーネーション、それからピンクのボケが入っております。かわいいお花です。それから青色がエリンジューム、これですね。白がキイチゴ、黄色がブプレウム、葉っぱがキンパコデマリ、もう一つがモンステラでございます。九つ入れてくださいました。

【「世界クラスの資源・人材群」が83件に!】

 さて、発表項目ですけれども、4件ございます。まず、「世界クラスの資源・人材群」が、今年に入りまして初めてですけれども、計83件になりました。

 ヤマハ発動機さんの大型三輪バイク、ニケン、ナイケンと呼んでますけれども、二刀流の、こういう感じですね。が、世界的権威のデザイン賞の最高賞を受賞しました。

 細かく言いますと、大型三輪バイク「NIKEN」ナイケンというように、しかし漢字がありまして、二つの剣と。二刀流の二つの剣。そこから命名がされたと聞いておりますが、世界的権威のデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」の最高賞である「Best of the Best」を受賞いたしました。

 「レッド・ドット・デザイン賞」というのは、ドイツの「ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター」が主催する世界的権威のあるデザイン賞であります。今回は世界各国から、何と約5500点の応募があり、そのうち80点が最高賞であるBest of the Bestに選ばれたと聞いております。

 本県の「世界クラスの資源・人材群」に、今回のヤマハ発動機さんの受賞が加わりまして、平成25年6月の富士山の世界遺産登録から数えまして、70カ月余りで合計83件と相成りました。

 フロントの2輪を支持する2本のフロントフォークが宮本武蔵の二刀流に見えることから「二剣」、ただし発音は「ナイケン」と命名されたものであります。

静岡デスティネーションキャンペーンの開幕

 二つ目の発表項目ですが、静岡デスティネーションキャンペーンのオープニングセレモニーの開催についてであります。

 国内最大規模の観光企画「静岡デスティネーションキャンペーン」、略称静岡DCがいよいよこの4月1日から3カ月にわたりまして開かれます。

 この週末の3月31日には、JR静岡駅と伊豆急下田駅におきまして、JR東海さん、JR東日本さん、観光関係者の皆さまとご一緒にオープニングセレモニーを開催いたします。

 当日は、私をはじめ関係者が一堂に会しまして、静岡DCの開幕を力強く宣言いたします。

 また、静岡DC開幕を記念し、JR東海さんとJR東日本さんが観光列車を特別運行してくださって、到着駅において、本県を訪れた方々をお出迎えする趣向が予定されております。

 この機を捉えまして、ふじのくにの美しい地域づくりを加速していくためにも、静岡DCのテーマ「アッパレしずおか元気旅」のように、訪れた人はもちろんですけれども、地域自体が元気になっていくよう、県全体が一丸となって盛り上げてまいりたいと思います。

 今年はワールドカップということで、確か本県の浜松市が日本代表チームのホストタウンになってるんじゃないかと思います。そうしたことも念頭に置いていただきたいと思います。

 われわれのデスティネーションキャンペーンは、6月終わってからの秋、さらに冬を経て、来年のアフターキャンペーンにまでつなげるという考えで、このDCキャンペーンを繰り広げるつもりでございます。

2020年度地域伝統芸能全国大会の本県開催の決定

 三つ目の発表項目でございますけれども、2020年度地域伝統芸能全国大会が本県で開催されることが決定いたしました。

 一般財団法人地域伝統芸能活用センターと、開催地との共催により毎年行われているのが、この「地域伝統芸能全国大会」であります。2020年度は本県で開催されることが決定いたしました。これは通常公募によるんですけれども、今回は、向こうの方から打診がございました。本県大会は静岡県と、開催地静岡市および地域伝統芸能活用センターとが共同主催者となりまして、2020年11月28日、29日の2日間にかけて催されることになっております。

 この大会は、県内外、そして海外からも選ばれた35団体程度が、各地のお祭りや神事で催される「神楽」、「念仏踊り」、「人形芝居」等々を披露する、「お祭りを一堂に集めた全国大会」とも言われております。昨年11月に開催された愛知県大会では、2日間で何と約26000人もの人々が鑑賞されたということで、一大イベントでございます。

 本県が開催地として決定された理由といたしましては、他県に先んじて平成28年度から推進委員会を設立して、オリンピック・パラリンピック文化プログラムに積極的に取り組んでいることがございます。さらに、静岡市内を会場に、春のSPACの「ふじのくに野外芸術フェスタ」、また秋には「大道芸ワールドカップ」がございまして、こうした国際的フェスティバルを長年実施していることが高く評価されたというふうに伺っております。

 オリンピックイヤーでございますが、2020年という、世界から注目を集め、国内外から多くの方々が本県を来訪されることが見込まれております。この年に、本県の文化プログラムの中核の一つとして本大会を開催できますことは、誠に名誉で喜ばしいことでございます。本年は、9月に奈良県の橿原(かしはら)市で開催されることになっているとのことですが、その次、次年度の開催県として参加し、この橿原(かしはら)にも参加いたしまして、奈良県から大会の引継ぎを受けまして、静岡県大会のPRを行う予定にしております。

 文化プログラムにつきましては、本日午前中にニュースでもやっておりましたけれども、お昼のニュースで。NHKですかね。やってくださいましたけれども、オリンピック・パラリンピック500日前イベント開会のテープカットを実施したところでございます。今後、このイベントを皮切りに、2019年度から2020年度までの期間、地域伝統芸能全国大会を含めて、県内各地で多彩なプログラムを展開していくこととしております。報道各社の皆さまには、ぜひ今後の文化プログラムの展開にご注目をいただきたいと存じます。

ふじのくに地球環境史ミュージアムが「The Best In Heritage 2019」の日本代表館に選出

 最後の発表項目でありますが、ふじのくに地球環境史ミュージアムが「The Best In Heritage 2019」の日本代表館に選出されました。

 ふじのくに地球環境史ミュージアムが、この秋、9月にクロアチアで開催される国際会議「The Best in Heritage 2019」の日本代表館に選出されたわけであります。

 このThe Best in Heritage、訳せば「至高の継承会議」というそうでありますが、2002年にヨーロッパ文化遺産協会が創設なさいました会議です。世界中で語り継ぐに値する顕著な活動をしていると認められた博物館が、その先進的取り組みを紹介する国際会議であります。

 ふじのくに地球環境史ミュージアムは、世界的に権威のあるドイツデザイン賞「German Design Award 2018」においてWinnerを受賞したことから、今年の日本代表館に日本博物館協会により選出されました。

 このThe Best in Heritageの会議は、今年の9月、クロアチアのドブロブニクで開催される年次会合で、安田館長先生ほかが出席いたしまして、廃校利用の博物館にふさわしい学校環境を生かした「思考するミュージアム」のコンセプトや、活動内容を紹介する予定であります。

 このほか、最近では公益財団法人静岡県舞台芸術センター、いわゆるSPACの宮城聰芸術総監督が、フランス芸術文化勲章のシュヴァリエを受章されることが決定しております。本県関係者の活躍が世界的に評価されていることは、大変名誉なことでございます。

 ちなみに、地球環境史ミュージアムの受賞歴でありますが、2016年JCDデザインアワード賞銀賞、同じく2016年DCA日本空間デザイン賞、同じ2016年アジア太平洋インテリアデザイン賞、同じ2016年FX国際インテリアデザイン賞、同じ2016年アジアデザイン賞受賞、2017年、年が明けまして一昨年ですが、iFデザイン賞、2018年、昨年にはドイツデザイン賞を獲得しているということで、輝かしい賞に飾られた博物館になりました。

 以上が発表項目であります。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、県議選、静岡市長選

(幹事社)

 ありがとうございました。それでは、ただいまの知事の発表項目について質問がある社は質問をお願いいたします。

 各社さん、よろしいでしょうか。それでは幹事社質問に移らせていただきます。

 このたび、幹事社質問として2問質問いたします。

 1点目が、リニア中央新幹線の工事につきまして、今月開かれた環境保全連絡会議において、JR東海がトンネル内の湧水量を最大3トンとする上限値の設定を提案しました。これに対し、難波副知事は「大きな進展だ」と評価しております。このJR側の提案に対する知事の受け止めと、今後の協議に期待することを伺います。

 2点目です。統一地方選のうち、県議選が29日に告示を迎えます。定数が全体で1減となる一方で、前回選を上回る人数の立候補が見込まれ、激しい選挙戦が予想されますが、知事としてどのような論戦を期待されるでしょうか。

 この2点について、よろしくお願いします。

(知事)

リニア中央新幹線

 まずはリニア関係でございますけれども、これまでJR東海さんのご説明では、工事をやっていく中でリスクを減らしていくといったような姿勢であったわけですね。従って、リスク管理に関する説明がございませんでした。

 こうした中、去る13日に開催された専門部会の合同会議で、事前のリスク管理の考え方の一つとして、湧水量全体を毎秒3トンとする上限管理値を設定されるとの説明があったのを喜んでおります。ようやくリスク管理に関する考え方というのが初めて出たということで、これはその後に副知事が評価いたしましたとおり、以前と比べて大きな進展であるというふうに思っております。

 この提案を暫定的に一つの考え方として受け止めておりまして、今後は、今日確か生物多様性専門部会が開かれますが、そこでは、この流量の変化が水質とか水温とか、水環境にどのような影響を及ぼすかといったようなことが議論されると承知しております。

 こうしたことを一つ一つつぶしていきまして、というのは連絡会議でお披露目賜って、利水者の方々に対して、安心を与えるような、そういう対話をしていただきたいというふうに思っております。

県議選

 二つ目の件でございますけれども、今回無投票選挙区いくつでしたか。浜松だけでも、浜北、天竜、東区とありますね。ほかありましたでしょうか。御前崎、熱海もそうですか。

 選挙戦、戦われた方が県議会において、自分たちがそれぞれ何を代表してるかっていうことについての自覚も高まりますので、選挙ですから、選ぶということなので、選ばれる人が無投票でない方が望ましいというふうに思っております。

 まだ無投票区があるのは、やや残念な思いであります。それと同時に、やはり投票率が年々低下してきたという現実がございまして、前回の県議選でも戦後最低の投票率ではなかったかと思います。私はかねてより多数決というのは二分の一、過半数ですから、それに達しないものは無効ではないかとすら思ってたんですけれども、残念ながら最高裁の判決で、そういうことではなくて、選挙しないというのも一つの選択の方法だからという考え方が示されてますけれども、私自身は自分の考えを持っておりまして、やっぱり二分の一以上の、つまり50パーセント以上の投票率が望ましいと思っております。

 投票率が上がるにはやはり、争点が明確な場合に、多くの方たちがどちらかを支持する、支持しないという判断をしやすいことですね。投票率の向上にも資するのではないかというふうに思っておりますが、ともあれ、激戦のところもあるみたいで、有権者の方々、よくお聞きになられて投票に行っていただければというふうに思います。

(幹事社)

 ありがとうございます。関連して幹事社から追加で質問を1点いたします。

 2点目に挙げていただいた投票率や無投票の問題の関係で、争点が明確な場合には支持を表明しやすいというお話ありました。県議選ですと全県にわたる選挙区ですので、なかなか争点一つに絞るということは難しいとは思うんですけれども、知事として今回の県議選、主に争点としてどのようなところの論戦を期待されるんでしょうか。

(知事)

 それぞれの県議の先生方というのは、例えば伊豆なら伊豆を代表して来られる、浜松なら浜松を代表して来られるわけですけれども、県議会に来られると県全体のことに通暁してないと、それだったら市議会出た方がいいんじゃないですかとか、町議会出た方がいいんじゃないですかというような、人は言わなくても、ちょっとレベルの違う話をされてるんじゃないかというような暗黙の批判みたいなものがあります。

 そうした意味では、それぞれの地域の代表とはいえ、県全体の中で自分たちの地域が何ができるか、またどういう位置にあるかというふうなことを県民の皆さま方、選挙区の皆さま方に訴える必要があるというふうに思います。

 県全体としては人口減の問題があります。人口減というのは、もちろん政令指定都市でも起こってますけれども、一方で藤枝市のように伸びてる所もありますよね。一方、南伊豆のように、あるいは川根本町のように高齢化率が非常に高い所もございます。

 それぞれ個別の事情はありますけれども、それはいずれも静岡県全体の問題と連関しているので、そういう大所高所に立った議論を、県議会議員に出られる方は見識を持っていただいて出ていただきたいと。

 さらに今われわれは、例えば小山町ですとお隣の神奈川県の市町と連携をしております。浜松ですと三遠南信地域ということで連携しておりますので、県境を越えた新しい地域連携のあり方についても見識を持って政治活動をしていただくと、われわれとしてはありがたく思います。

 静岡市ご出身の県議の先生が自分のことだけ言っておられると、政令市だから政令市だけでやってもらいたいというような思いを何度か味わされました。しかし、それは仕方がないとは思いますけれども、やはり地方あっての国でありますので、地方創生というのは国との関わりにおいて出てくるものですから、そうした志を持ってる方が、自分の今まで学んできたことを政策に落とし込んで、これを県に実現させるのだというような形でやってくださると、前向きのものになって、ただただ勝つことだけにきゅうきゅうとするような選挙戦にはならなくて済むのではないかと思います。

(幹事社)

 ありがとうございました。ただいまの幹事社質問に関して質問のある社の方は挙手の上。

【静岡市長選】

(記者)

 選挙に関連して、先週の21日にJR清水駅で天野進吾さんの後援会の総決起集会やってたんですけれども、命懸けとか、命を懸けてとかいう単語も4、5回出てきたんですけれども、そのイベントの中で知事の祝電のメッセージがありました。大きな拍手が起こりました。知事がメッセージを送られた真意、お気持ちを聞かせてください。

(知事)

 求められたからです。時々こういうものを頼まれることがありますね。今までの経緯ですと、この1年の間で覚えてるのだと、富士宮市長選の立候補者、現市長さんですけれども、やはり後援会の方からメッセージが欲しいということで。まだ告示日の前だったと思いますけれども、差し支えなかろうという、いわゆる私のスタッフの判断も仰ぎながら送りました。

 それから、選挙にはなりそうにない天竜区の代表の中谷多加二県議からも、後援会で、知事の気持ちを欲しいのでということで来まして、そのときも彼は体育協会の副会長もあるし、天竜区という、これは水窪までありますからね。そういうところを一身に担って、過疎地の代表ですから、しかも信頼もしてるので送りました。

 天野さんのところも、ご本人ではなくて後援会の方から来まして、まだ告示前だということで、しかも信頼してる方ですから送ったということであります。

 来るものは拒まず、協力は惜しまず、見返りは求めずという流れの中で、注目されて良かったのか悪かったのか、良かった方がいいと思いますけど。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 1番のリニアに関連してなんですが、先週22日にJR東海の金子社長が南アルプストンネル静岡工区に関して、来年度2019年度には工事に着手したいと、初めて時期について明言されました。われわれ聞いてる側としては、まだ協議中の段階とも思うんですが、このJR社長の発言についての知事の所感をお願いします。

(知事)

 そうですね。観測気球のような感じで上げられたんではないかと思いますけれども、恐らく社長さんも今、真剣に討議が始まった、対話が始まったというご認識はお持ちだというふうに思います。しかし、ともかく工事は始めたいというお気持ちを、そういう数字で表されたんじゃないかと思いますが、ご質問の中にもありましたように、今まさに対話が始まったばっかりですからね。工事なんかできるような環境にはないということです。

(記者)

 重ねてなんですけれども、知事も最後、工事を始められる状況にないということ、当然始める環境っていうのは対話を尽くした上でという解釈でよろしいでしょうか。

(知事)

 リスク管理についての、たった一つ、流量についてだけです。しかし、工事をした場合に水質の変化だとか水温の変化だとか生態系の変化だとか、そういうものが著しく損なわれることがあった場合にどうするんですかと。損なわれてから考えるのでは話になりませんから。今日の生物多様性についても懸念が表明されるんではないかと思います。すでに表明されてますが。これをまた連絡会議でぶつけて、一つ一つ、リスク管理についてのJR東海さんの丁寧な説明を受け、かつまたそれをJR東海さんご自身が、もしくはわれわれが利水者や関係者にご説明申し上げる。そうしたことを踏まえた上でないと工事をするべきではないと。なかんずく、流量については毎秒3トンと出てますけれども、笛吹川の渇水、水が枯渇したという問題がございますでしょ。ですからこうしたものが報道されることによって、利水者の方たちの懸念が深まっております。

 さらに、因果関係は分かりませんが、富士川の濁りがサクラエビに関係してるのではないかということで、それをわれわれが調べたところ、富士川の上流まで行っても濁ってないんですね。早川町から入ってくる水に濁りが見られると。これはもう肉眼ではっきり認められる。写真もございます。難波副知事も自ら行って見てるわけですが、この濁りがサクラエビうんぬんとは別にして、どうして起こってるのかということについて懸念があったので、この間、富士山の防災会議があったときに、長崎幸太郎知事に直接、調査をさせてほしいと言ったら、喜んでお手伝いすると。

 それからまた、そのとき防災局長の方も同席されてたんですが、今度副知事になられるそうです。彼も調査には喜んで協力するとおっしゃってました。

 早川の上流といえば、言うまでもなくリニアの工事をやってる所ですね。そうしたこともあって、こうした濁りが、もちろんこれは濁りをなくすために、いろいろな凝集剤を、高分子凝集剤をまいて処置をされてると思いますけれども、その早川と富士川が合流するところがあります。かなり明確に見えるところでありますけれども、濁ってるんですね。

 こうしたことが生態系だとか、あるいは水温だとか水質にどのような影響を与えるのかというのを、断然そのことがサクラエビでも原因ではないかとすら漁業者が言ったくらいでありますから、そういう解決すべき問題があるので、ですから工事について具体的な議論ができるような状況でないということであります。

(記者)

 同じようにリニアに関連してなんですけども、この間の連絡会議の際に、JR東海の方からこの議論と並行して工事を進めていきたいというようなご発言があって、それに関して知事の所見を伺いたいと思います。

(知事)

 今申し上げたのと同じですね。議論と並行して工事をするということはできないということです。議論を尽くして、利水者に安心を与えるリスク回避も、あるいはリスク管理もちゃんとできてるということでないと工事をするべきでないし、やってみなきゃ分からないということだったわけですから、とんでもない話ですよ。今もそれに類したところがありますよね。問題があったら対処するっていうことでは困ると。取り返しがつかない場合があるっていうことがありますので、しっかりと考え方と方策と、両方合わせて知る必要があるということです。

(記者)

 先ほど知事のリニアに関連するお話の中で、富士川の濁りについてお話があったんでお伺いしたいんですが、知事、また県としては、富士川の濁りがJRのリニア工事によるものである可能性があるというふうな見方を持って、今、調査をしてるのか、またこれまで県の担当者の方は、富士川の濁りとサクラエビの不漁の関係は明言したことはなかったんですけれども、そこも視野に入れて調査を今後していくということなのか、そこの確認をさせてください。

(知事)

 これは、調査ができなかったんですよ、ずっと。ですから早川からの水が濁ってるということはそこに行けば分かるわけです。じゃあどうしてそうなのかということには、何しろ山梨県の川ですから、調査をするのが極めて難しかったと担当者から聞いております。

 それでわれわれの方は、今日、担当者の中平君が来ておられますけども、企業にお頼みしてそこで若干の水質検査をしたと。雨畑のダムの濁りが、つまり雨が降るとそこが濁って、それが影響してるんじゃないかということも一部言われてたんですけれども、ともあれサクラエビとの関連でわれわれは非常に神経質になってたんですが、調査ができない所だったんですね。

 ところが長崎幸太郎知事さんは、川っていうのは上流と下流で一体ですから、調査するべきことがあれば上流でも当然やってくださいと、歓迎しますということであったので、これからその原因を調べるということです。

 ただし濁りというのは、工事をやらないとなかなか出てこないものであります。これまできれいだったわけですから。そういう意味で、私はそれも関連しているなということで、徹底的に調べていただきたいと思っております。

 ちょっと待ってください。この件について、中平君。

(中平水産業局長)

 水産業局長の中平でございます。山梨県とは鋭意連絡をとっておりますので、しかるべき時期に調査をしていきたいと思っているところでございます。以上でございます。

(記者)

 中平局長にお伺いした方がいいのかもしれないんですけれども、確認ですが、県としてはリニアの工事との富士川の濁りの関連を調べるということでいいのか、またサクラエビの不漁との関連も富士川の濁りが原因、している可能性があるとみて調べるのか、そのあたりのところ確認します。

(中平水産業局長)

 いずれにしましても、濁りについては富士川と早川の合流点を見れば、早川の方が濁っているということが明らかなものですから、その原因について調査をするということでございます。以上でございます。

(記者)

 これまでも濁りの調査をしてきてると思うんですけれども、その中でリニア工事との関連が推察されるような状況があったのか、またサクラエビの不漁との関連が推察されるような状況にあったのか、そこのところ確認させてください。

(中平水産業局長)

 そのことにつきましても、今後調査していくということでございます。以上でございます。

(記者)

 確認ですが、現時点の調査の結果では、そこの関連性認められていないということでよろしいんですか。そこは多分、各企業活動、漁業活動とのかなり関係性に響くところなので、県としての公式見解を求めたいんですが。

(中平水産業局長)

 明確に言えるものはございません。以上でございます。

(知事)

 まだ調査に入ってないでしょ。この間、富士山の噴火に関わる防災会議、それからもう一つ、二つやりましたね、沼津で。19日。だから一週間前ですね。帰ってきてそれから中平君に知らせましたので、まだ調査ができてないということであります。分かり次第お知らせします。




記者質問:静岡市長選、ふるさと納税、推計人口

(幹事社)

 リニアと県議選についての質問は以上ということでよろしいでしょうか。では、すみません、その他の質問ということで市長選について。

静岡市長選

(記者)

 知事は過去に、県と市が一体になれるような市に生まれ変わってほしいといったお話をされていました。知事がメッセージを送られた天野さん、非常に県と市の連携の話をされているんですが、そういった点も踏まえまして、今公示から3日たちましたけれども、論戦をどういうふうにご覧になってらっしゃいますかというのをお聞かせください。

(知事)

 ともかく、無投票で終わる可能性も静岡市の場合はありましたからね。ですから、ともかく3人の方がそれぞれ違う主張をされておりますのでね。結構なことだというふうに思っていますよ。やっぱり私も市民ですから、投票はします。投票する相手は決めております。

ふるさと納税

(記者)

 ふるさと納税の関係なんですけれども、先日、総務省が小山町の特別交付税を0円と算定しました。これに関しての受け止めをお願いしますというのと、ふるさと納税をめぐっては、総務省が今後新たな基準を公表する予定で、例えば特産品の少ない自治体の配慮として、同じ都道府県内で共通のものを送るケースを認めるなど、現在の制度を厳格化する部分と柔軟にする部分、両方ありそうなんですが、今後のふるさと納税のあり方として、総務省にどのような方針を求めていらっしゃるでしょうか。

(知事)

 ふるさと納税は、総務省さんの方が提唱されたわけですね。それで納税するわけですから、言ってみれば見返りは期待していなかったはずですけれども、まあ、ありがたいということで、日本的なお礼をしたいということで、それでこの返礼競争みたいのが始まって、それが度を越してきたということで、総務省の方で基準を決められたと。そして今度は、あまりにもたくさん、ふるさと納税が成功しているところですね、成功しすぎているということで、年度末になって突然、特別交付税はゼロにするというふうに言われたのは、恐らくふるさと納税でうまく財源が調達できてよかったねと言っているところに対しては、冷水を浴びさせられた形になるんじゃないですか。当然、今の段階ですから、4月1日からの予算は組まれていると思いますね。組まれているところで、その分が数千万円規模だと思いますけれども、もちろん市町によって違うと思いますけれども、それがゼロになるということで、これはなかなか厳しい仕打ちだと。これは本当にそれでいいんですかと、理屈が通りますかということは申し上げておきたいと思います。石田総務大臣に。

 あなたがもし昔、海南市で、そういうことでやっていたときに、総務大臣からこういうこと言われたらどう思うか。あの人昔市長やっていたんですよ。市長のときに私は友人でしたから、彼と。ですから、そういう気持ちを持っていますね。だけど、今行き過ぎのふるさと納税返礼品競争があって、返礼は認めるけれどもこういう規定を設けると、これ6月から施行されるのでしょうかね。そういうことになって、本来の誰もが常識的に見ておかしくないと思うところに落ち着くようにする必要がありますね。そうなることを望んでおりますよ。

 私は本来、こうしたものはふるさとへの感謝の気持ちということで、返礼を期待するということが卑しいと思っております。それが私の考えです。

推計人口

(記者)

 1点、人口のことなんですけれども、推計人口が365万人を、およそ30年ぶりに下回ったという統計の発表がありましたけれども、まず、今人口減少はどこの自治体も避けられない状況の中で、そういった数字が30年ぶりに出たということの受け止めについてと、あと従来から県は、ふじのくにパスポートまたは30歳になったら静岡県といった施策と、どういったところに力を入れていくのかと、その2点をお聞かせください。

(知事)

 そうですね、合計特殊出生率が1.5前後で、地域によって違いがありますけれども、推移している以上、まあ2.07でないと人口は定量を保てないと、確実に減っていくということですね。それが本県でも現れているということでありますが、一方で、社会動態というのがあって、それで出て行く人、入ってくる人があって、うちの場合には流出人口の方が多いと。ただし、じゃあ母数になっているのは誰かというと、日本国籍を持っている人だけだということで、それが社会流出、純流出で失われていると。ところが、日本で生活している人がいるわけですよ、外国籍を持っている人。白鵬関もまだ、外国籍じゃないですか。日本の国籍とってらっしゃらないでしょう。立派な、日本を代表する力士ですよね。そういう人がいますよ、自分の国籍をなくすというのは大変な勇気というか決断が要ります。そういうことに照らしても、外国人を、日本で仕事をし立派な、いわば日本の顔として活躍している人も、外国籍人のままいらっしゃる。その人たちは、実は流入されてきているわけです。

 どうしてそれを差別するのかと。だから、その両方を言わないと、実際上、昨年一番直近で分かっている純流出を純流入では、外国人の方の流入の方が純流出より多いので、従って人口が減ってないので、まずそれがあります。一方で、人口の流出というのは、人口減と併せて起こっているということは間違いない事実で。どうするかということで、多くの人が、都というのは人を引き付ける所ですね。いろんな人がいる所が都です。昔の京都にしても、現在の東京にしてもそうですけれども。ですから、言ってみればよそ者がいっぱいいるわけですよ。それは引き付ける力があるわけですよね。それをどうして止めるのかというのが私の考えです。

 でも大半の人は、一度は親元を離れて外に行ってみたいと。障子を開けてみなさい、外は広いぞというふうに豊田佐吉は言われたと。彼はもう10代で東京まで行ってますからね、そして地元に戻ってきて仕事をしたということであります。そうしたことに照らしますと、外に出て行くなと、金で引き止めたりいろんなことをする人がいます。しかし私は、行きたい人は行ってごらんと、ただし、故郷というものは皆そこで生まれ育っていますから、親もいるし友達もいると。そうしたことについて、本当に考える時期というのが来ると思いますよ。それがだいたい30前後だと、古来30にして立つと、つまりその頃になるとよきパートナーに出会ったり、一家構えたり、親のことを考えると。あるいはおじいちゃん、おばあちゃんが、本当に昔はかわいがってもらったのに、養護施設に入らなくてはいけないというようなことで、初めて考えるというのが、個人差はありますけれども30前後だから。そのときに、判断の材料を提供したいということで、30になったときに静岡県のことを思い出してもらうために、「30歳になったら静岡県!」と。

 じゃあ、一番たくさん出て行かれる年齢はいくつかと言うと、一つはやはり高校卒業してからですね、東京の大学とか、名古屋の大学とか、あるいは海外と、こういうのがありますから。ですから、その高校生に、まずは全ての高校生にQRコードを入れておいて、静岡の情報を、しかもあれは学生が作ったデザインです。若い青年が作ったデザインで、お魚が生まれた川上から、上流から海に出て行って、また生まれ故郷に帰ってくるといったイメージで作られたそのカード、これを渡したということでまいりまして。

 私は、世界の75億の人口のうち、十数億の人たちが移動しているわけです。そして今、多文化共生、つまり他民族が一緒に生活するというのが当たり前の時代なので、それに行き過ぎて、いわゆるアメリカファーストとか、移民排斥とかというような社会問題にもなっておりますけれども、そうしたことに照らしても、多くの方々と一緒に過ごす、生活するという時代にわれわれ人類は生きていると。そういう中で、いろんなこと知って戻ってこれるように、あるいは、別に県ご出身でなくても、県外の方にもこの静岡の良さをお知らせ申し上げて、いつでも帰ってらっしゃいと。それが「30歳になったら静岡県!」、それからまたいわゆるI、J、Uターンのワンストップサービスを東京に設けまして、しかも自己中心主義にならないで、山梨県や他の県とご一緒に、選ぶのは皆さま方ですから、選ばれる一つの候補地としてやっていこうということで、その意味におきまして、流動を認めつつ、自由を認めつつ、選ばれる地域になるように磨いていこうと、これがわれわれの人口政策であります。




記者質問:御前崎市産業廃棄物処理施設、新元号

【御前崎市産業廃棄物処理施設】

(記者)

 御前崎市で民間事業者が計画している産業廃棄物処理施設の件でお尋ねします。計画をめぐっては、市内でも賛否分かれているようでして、反対派が白紙撤回を求める住民投票を求めるような動きもあったりですとか、昨年夏に許認可権を持つ知事の元へ書面を持っていったりだとか、賛否がいろいろ分かれているようなんですが、この点について知事の現在のご認識を教えてください。

(知事)

 御前崎市長の裄Vさんと、この件について近々お話をして、実情をしっかりご説明いただこうと思っております。その上でということです。そうです、市長さんと直接お目にかかってお話しようと思っております。

(記者)

 近くっていつぐらいのご予定。

(知事)

 そうですね、お忙しいでしょうから、私も両者の日程が。昨日、そういう話をいたしまして、昨日だか一昨日だか、静岡県原子力発電所環境安全協議会本会議で、私が会長で彼が副会長さんですから、ちょっとこの件で話しをしたいとおっしゃったので、分かりましたと。

(記者)

 市長から話が知事にあって、知事もその説明を聞くと。

(記者)

 静岡県原子力発電所環境安全協議会本会議では、そういうことを話すだけの時間とかがありませんでしたので、あらためて時間を取ってということになっています。

新元号

(記者)

 あと数日で新しい元号が発表になります。今回は国文学者の方にも政府が原案を依頼したというふうに伝わっておりますけれども、知事は新しい元号にどのような願いを託して、どんな意味が込められたものになったらいいなというふうに期待されてるのか、教えてください。

(知事)

 元号というのは、お隣の中国で始まったものですよね。その影響を受けて日本でも、大化元年から今日まで来たと。これまで、要するに元号法ができるまでは、宮中で元号を決めるということだったわけですね。それを今は元号法によって、政府の方でお決めになって、それをご報告するという形になっていますね。それでいいのかなという感じがございます、私には。何しろ一世一元になって、明治天皇というふうに言うわけですね。明治という元号は、睦仁天皇が最終決定されたんじゃないかと思います。しかし、明治天皇と言いますね。ですから、名前になってしまうわけですね。贈り名みたいになってしまうということで、ご自身の名前になるので、そこらあたりは、報告だけで済ましていいのかなという気持ちはあります。法律上、それは許されていないみたいですけれども。しかも、日本の皇室は、学問をされる皇室ということで世に知られているわけですね。しかもレベルの高い学問をされる、今上陛下もそうですし、前の昭和天皇もそうでした。今の皇太子殿下も学問をされておられます。ですから、立派な識者であられるので、そういう方の意思を全部聞かないというので、ちょっと酷かなという思いがありますね。それは私の個人的な見解ですけれども、元号を645年からずっと今日まで、1000年以上の歴史を持つ中で、ものすごい権力を持った、日本を統一した徳川家康さんですら、慶長から元和に変えるときに、そうしたいという意向を示された。和を始める形にしたいと、しかしそれは宮中にお尋ねなさって、そこでお決めになって初めて元和元年と、元和偃武になったわけです。

 そういうことでありますので、ああいう武将ですらそうしているわけですから、国民統合の象徴の方にそういう意思決定の一端ぐらいは、少なくとも自分で言わなくても、国民から挙がってきたものの中で、自分でお選びになられるような、そうした自由度があってもいいかなというのが私の考えでございます。要するに、これは本当に自分としてこの名前でやっていきたいというふうに思われれば、うれしいじゃないですか。あなたは何とおっしゃる。愛情を持って付けられたでしょう、お父さん、お母さんが。だけど、あるときに自分の名前について自覚するときがあるじゃないですか。でも初めから自覚されているわけです、天皇や皇太子は、そういう人たちです。つまり、何も分からないから名前を差し上げるんじゃないですね。そういう意味の名前になりますから。私は、これから陛下が譲位されれば、平成天皇というふうに今上陛下は呼ばれることになるのではないかと。どなたも、やがて明仁というお名前は、だんだん、だんだん記憶から薄らいでいくのではないかというふうに思いますね。それだけにそう思うわけです。




記者質問:沼津駅周辺鉄道高架事業、静岡市長選、サクラエビ漁

【沼津駅周辺鉄道高架事業】

(記者)

 今日、午前中に沼津の高架事業についての第13回の口頭弁論がありまして、そちらで静大の名誉教授の土居さんの方から、費用便益比についての意見書というのが出されまして、原告の方々が去年の12月に実測調査をされたところ、県の費用便益比が1.24と現行なっているんですが、それが過大で、自分たちの試算では0.5から6という結論になったと。意見書としては下回る可能性があるというふうに記されているんです。原告の方たちが先ほど会見をして、原告の評価が過小すぎるとしても、県の考えている費用便益比も当初の2.75から、2016年には1.26、24ぐらいまで下がってると。これが1.0を下回ると国の交付金が受けられなくなる可能性があるというのも、今日弁論の中で指摘がありました。これが、国の交付金が受けられなくなると、非常に巨額の事業ですから、なかなか事業の成立というのも難しくなってくるかと思われるんですが、その点についての、国の目安になる1.0を下回っても、この事業を継続する価値があるのかどうか、そのへんについての知事のご認識をお伺いできたらと。

(知事)

 まずは沼津市民のご意思ですわね、何と言っても。市長さん、また市民の多くの方たちが、この事業を進める方を選んでいるんでしょう。ですから、そこが基本です。まずは、いきなりに高架になるわけではありません。今は原町に貨物の、現行の貨物操車場を移して、効率的な形にして、いざというときに首都圏の、いわば支援の拠点になると、できるようにということがJR貨物さんの大義名分ですね。しかも、貨物として使わないと。しかし、貨物として使えるようにはしておきたいという。基本的に待避線として整備するという、これがJR貨物さんの見解です。

 そのためには、土地を譲っていただかなくてはいけないし、原町も原町のいわば活性化のために、いろんな考えを地元の人が出されています。まずはそれが最初でしょう。その事業を、まだ土地の確保もできていない段階で、今は市長さん以下、説明にも回られてやってらっしゃるわけですね。ですから、その結果論で、その後、今度は沼津の市街地の話になりまして、一つは貨物の操車場跡地をどうするかという問題がありますね。南北の通行をするのにどういう方策がいいかということも、それこそ費用便益の計算をしながらやればいいと。いきなりそこに持っていくわけではなくて、いわば2段階に分かれていると言っていいと思います。原町の整備ですね、それが終わってからいわゆる高架の、高架というのは南北の自由通行を可能にする方法の一つですからね、ですからその話になっていくと。今はまだ、そこを話す前の段階の仕事を市民の代表がやってらっしゃるということでございまして、私はまず、ここで人が不幸にならない形で、原町の方たちがかなり高齢化されてる方もいらっしゃるので、どういうふうにすれば先祖からあずかってきたこの土地を子孫に残していけるかということに、今は知恵を絞られると。恐らく、頼重市長さんもそこに基本的には力を注いでおられるというふうに思っております。

静岡市長選

(記者)

 すみません、市長選関係の話に戻ってしまうんですけれども、昨日なんかも田辺さんの遊説の方ですね、田辺さんご本人ではないんですけれども、天野さん陣営を知事が背中を押しているというような発言、遊説の中でも田辺さんではないですけれども、幹部なんかからあったりして、知事が中立を告示後は保たれるというスタンスとは裏腹に、そういう見方を実際にはされているということに関しては、どういうふうにお考えでしょうか。

(知事)

 いろんなお考えがあると思います。いろんな、いわゆるネガティブキャンペーンというのも私も経験しましたので。ですから、そういういろんな意見があるのはしょうがないということでございまして、先ほど記者さんからも質問があってお答えしたとおりでございます。どう取るかは、しょうがないですね。

(記者)

 そういったことに関連しまして、先の知事選なんかでは、知事と田辺市長との関係性がかなりクローズアップされた中で、葵区、駿河区なんかは対立候補が票が上回るような結果が出たわけですけれども、今回投票動向にどういった作用があるか、もしくはないのか、どういうふうにお感じでしょう。

(知事)

 ともかく、皆さんが投票に行ってくださることが大事ですね。そして今、マニフェストも出ましたね。ですから、そのマニフェストをしっかりお読みいただいて、割と対立点といいますか、見解の違いも明確になっているマニフェストではないかと。もっともマニュフェストというのは、公約と同じですけれども、どう違うかというと、PCDAサイクルを回して、きちっと成果を測られるようにするというのがマニフェストとして、昔の三重県知事の北川さんが出されたということがあります。ですから、それぞれ、少なくとも天野さんと現市長さんは、市長をやってるわけですね。

 だから、何をやりたいかというのは、皆それぞれありますよ。だけど、その人がどういう人かというのは、何をやってきたかということ以外の基準ってないんじゃないですか。ですから、どういうことをしたいかということよりも、どういうことをしてきたか、あるいはしてこなかったかということが、判断基準にするのが客観的になるだろうと。政策協定を結ぶということもなさる、しかし、協定を守るかどうかということが、守ってきたかどうかというのが基準になるというふうに思います。

(記者)

 ありがとうございます。

サクラエビ漁

(記者)

 サクラエビについてお聞きしたいのですが、この後春漁に出るということが決まりましたが、ただ漁に出てみないと分からない部分もあると思います。期待と不安、場合によっての何か支援というのは考えてらっしゃるのでしょうか。

(知事)

 まずですね、この漁協が立派だと思いますよ。資源管理に対してこれほど見識の高い漁協がいたかなと思うくらいです。そして賢いのは獲りながら資源を守っていくという、いわばあれかこれかということではなくて、あれもこれもということで、この考え方が良い、私にとっては立派だなと思うんですね。獲り過ぎないように、しかし獲らないと自分達の生活も立ち行かないわけですね、しかし親エビはちゃんと残して卵産めるようにしておくと。こういう決断は、全国の資源管理のモデルになるんじゃないかとすら思っております。これまで、獲れなかったことについては、県としてできる限りのことをやってまいりました。ともかく今回の春漁が、それなりの両立が可能なことを示すものになってほしいという祈るような気持ちでおります。漁協と協力してやっていきたいということであります。




記者質問:静岡市長選、駿河湾フェリー

【静岡市長選】

(記者)

 すみません、市長選に戻って申し訳ありません。知事は、その人がどういう人か、何をやってきたか、もしくはやってこなかったかという基準で判断するしかないということをおっしゃったと思います。今回3人出られているわけですけど、田辺さん、天野さん、それぞれどういったことをこれまでやってこられたか、もしくはやってこられなかったか、そのあたりの評価があれば教えていただきたいと思います。

(知事)

 これは投票行動そのものですからね、私は判断しておりますけど。ですから皆さま方も判断するに足る、いわば時代を生きてこられたはずですね。ですから、もちろん天野さんは今から四半世紀以上前ですからね、知らない人もいらっしゃるかもしれませんけど、残っているものがありますからね、それを見ればよろしいと思います。今の市長さんは過去8年の政治を見せてこられたわけですから、それについては言論で今訴えられているわけですから、それをお聞きになって。

 私はむしろ記者さんから聞きたい、あなたは新聞記者だから一番よくそういうことを知っているのではないですか。どういうふうにご覧になっていますか、新聞記者として。

(記者)

 ちょっと難しいご質問だと思いますけども。

(知事)

 だけどね、公器ですからね、しかも署名入りで書くわけでしょ、署名で書く人が何かいわゆるアノニマスというか匿名で、隠れないで自分はこう思うという時代になってきているのではないですかね。そういう意味で、ジャーナリズムというのは真実をしっかりと伝えると、そして公の器、公器と心得ていただいて、公が言っていることをそのまま書くんじゃ中学生だってできますよ。

 それに対して、書いてるときには判断が伴っているわけですから、その判断までしっかり出すと。社説はそうでしょ、社説は誰が書いているか社内では知っていても知らないでしょう誰も。そういう意味で、今バイラインといいますか、署名入りの記事が増えてきてます。それはとても良いことだと、これは立派な記者だとか、そうでないとかというのは読者によって決まるのではないですかね、それに耐えられるだけの勇気を持っておられるかどうかと。

 私は今の一部の新聞は明確な意見を持っている、しかし若い青年がここで武者修行をして本社に帰られたりするような場合にはですね、もうともかくあまり勉強もしないし、地域のことも知らない、言ってることも、大抵デスクもそこのとこだけ埋めてやるというのは、レベルの低い記事も散見されるのを残念に思っております。

駿河湾フェリー

(記者)

 昨日、駿河湾フェリーの一般社団法人の設立の発表がございましたけども、これまで民間が企画とかやっていく中でさまざまな工夫をしたけれども、年間最大で1億円ほどの赤字を出したと、今度の社団法人としたら、黒字化できなければ県が3分の1を負担、残りを3市3町が負担というお話が難波副知事からもありましたけど、これまでに比べて便数だとか料金の変更は特に考えてらっしゃらないということでしたので、もちろん設立はこの後になってくると思いますけども、果たして本当に黒字化できるのか、黒字化するために補完というか、そういったものがあれば教えていただきたいんですけれども。

(知事)

 ようやく形が整いまして、20万人という目標がありますのでね、あと4万人ほどですから、これは達成可能と見てるわけですね。そうしたところで、しかしいざというときのために、天候の不順だとか何が起こるか分からないので、負担の割合だけ決めておきましょうと。ただし負担することを前提にというのではなくて、20万人を達成すれば維持費も全部浮くということで、今までは一民間会社がやっていましたけど、今は言ってみれば関係している市町、市民、県民、町民を挙げてやっていこうと。今回入ってられる3市3町だけではなくて、伊豆半島の観光の付加価値を付けるために伊豆フェリーと、ふじのくに駿河湾フェリーを視野に入れられるようになってきました。そういう意味では、20万人の達成に対しておおかた楽観されている方が多いと。

 それからさらに、新清水から富沢まで、さらに早川の下部温泉早川から中央道の双葉ジャンクションまでつながりましたからね。私通ってきましたよ、自分で。もういっぱいです、向こうから来る人が、恐らく山梨県の海なし県の方たちはですね、早く行けるようになったということを喜ばれていると思いますね。そこも一体感を含めて醸成しながら、このPRにも努めていって乗っていただくということで、それほど私は深刻には考えておりません。運航回数とか運賃ですね、これはこれまで議論された結果、これまでどおりやっていくということで、これまでになかったイベントも成功しているので、さらに清水もひょっとすると、この4月以降何か新しい施策が打たれるようなものに変わるかもしれないと。

 そういう意味では追い風が吹く条件があるので、私自身は、しかも全ての市長候補者が清水に傾注しているじゃないですか。結構なことですよ、清水は今まで閉塞感が強すぎた。気の毒でしょうがなかったですよ。そこに県もコミットすることが、観光面でにぎわいをつくる面でできるようになって喜んでおりまして、4月からは、今年は元号も5月から変わるしですね、多分、飛行場と一緒でまた民間がやらせてくれということになると見込んでおります。




記者質問:リニア中央新幹線

【リニア中央新幹線】

(記者)

 先ほど、サクラエビの春漁について、知事は漁協の資源管理について評価される発言をされました。獲りながら資源を守るというこの姿勢が、全国の資源管理のモデルになるのではという発言がありましたけども。これは、JRがリニア工事において掘りながら水資源を守ると言っているのと、それについて県はノーと言っている、それとの違いは何ですか。

(知事)

 駿河湾の奥ですね、そこの所調査しているでしょ。調査して獲らなかったわけです、秋には。調査できていないじゃないですか、ですから全然違いますよ。だから駿河湾の場合には、しかもそこに注いでいるので、富士川の上流まで行って濁りの原因もある程度分かるようになって、早川だということで。そうした中で因果関係を調べながら、差し当たって明確な因果関係はないと、サクラエビも若干育っているということが分かったと言うことで、獲ろうと言っているわけですから。全部分かった上でやっているのとですね、ともかくやらしてみてくれと、何が起こるか分からないけど、起こったら考えると。これは、態度としては天地の差で、大会社が必ずしも立派な見識を持っていないということでもありますね。

(記者)

 県内の大学につきまして、静岡大学と浜松医科大学で法人統合、あと大学再編の話が進んでいるかと思うんですが、静岡大学の一部の先生からは、規模の縮小などで見直しなどを求める署名をされているという報道があります。知事は今後の両大学について、どのような期待をされているか教えてください。

(知事)

 知事としては、行政としては教育に対して中立性、継続性、安定性というものが保たれるようにしなくてはならないので、これがいいということを干渉する立場にはないということです。一方、今の大学、少子化の中で相当淘汰が進んでおります。それで、国際的な大学として立ち行くような大学と、もう一つは地域密着型の大学と、それから特別な専門的な大学と、三つくらいのカテゴリに分かれているんですけども。県内ではですね、国際的なレベルの研究もされているんですけど、地域と密着した大学をつくっていこうというところを全体が選ばれています、国立大学も公立大学も。私立大学もそういうとこもあると思います。

 そういう意味では、それにふさわしい、つまり新しい時代に応じた大学のあり方はどうかということで、二つの国立大学がお話しをされ、そこに民間の大学院大学も入っていますね。そこも関与しながらやっていこうと、こういう動きがこれから加速すると思いますね。それはまあ僕の状況の判断ですけど、静岡大学に関してこうした方が良いというようなことは、私の立場からは言うべきではないと。大学の自治ということと、それから大学のいわば理念に即した形で再編される場合には、まあ言論の世界ですからね。徹底的に議論し納得ずくめで、しかし100パーセント全員が同じ意見を持つことはないです。

 そこは文字通り、民主的手続きさえしっかりしていれば、少数意見は尊重されつつも多数意見に従うというのがルールではないかと思っております。

静岡市長選

(記者)

 静岡市長選に話が戻って申し訳ないんですけど、天野進吾さんが、この間の出陣式の際に知事と共通の理念を持っているというご発言があったんですけど、それについて知事はどのようなお考えをお持ちなのかということが1点と、以前に話がありました日本平カジノの話なんですけど、今回天野候補がそれについて特段言及というか掲げて選挙戦を戦っていらっしゃらないと思うんですけど、それについて知事はどのようにみてらっしゃるかお伺いできればと思います。

(知事)

 共通理念というのは、あの方も20前後から政治家を志されて、あのスタイルを見れば分かりますけど、どこかの団体あるいは強いものに巻かれるというようなスタイルではないんですね。わが道を行くと。市民のため彼の場合には、市民ですわね。特に県議会議員としてご活躍されてきましたけど、公人としての立場を守ってこられた方じゃないかと思います。市民の公益に、福祉の向上に役立つにはどうしたらいいか、この一念が彼を支えているんだと思いますね。それがなければ、なかなかこういう仕事は本当に元気を持ってできないです。人の役に立っているということが、言ってみれば基本的な動機ですから。ですから、そこらあたりは姿勢が一緒だということですね。彼は一方で現実的ですよ。彼は同時に夢を持つ人ですね、本当に夢を持つ。その夢を彼は実現可能性というものを常に考えながらやっているわけです。大道芸などでも、最初はばかにされたんじゃないですか。しかし彼は説得し、それを次に静岡市の名物にしたわけですね。

 今回の伝統芸能全国大会も、それが判断材料の一つになってこちらで全国大会が開かれると、そういう実績をしてきた人ですよ。それは彼のためになったんですか、私益じゃないですよ。夢を出して、そしてそれを実現してきたと。

 カジノに関しては10年ほどででも難しいと。だから、今4年間で仮に市長を引き受けられた場合には、何ができるかと。明らかに日本平の頂上と清水港をどう結ぶかと。まずそれが点を線にしていくことが最初になると思うので、今は非常に現実的な立場に立って、これからの4年間自分は何をするのかということを訴えられているので、おのずといわば夢物語、20年、30年のことであれば何としてでもということがあるかもしれませんけど、今の彼の年齢も考えて差し上げると、それを言われなくなったのは現実的であるということでもあります、彼が。もう一つ言えば、義を見てせざるは勇なきなりという言葉がありますけど、これ侍ですが、そういう人でしょ。それ素晴らしいと思います、命懸けですからね。それが、僕はシニアを励ます態度になっているんじゃないかと。それとシニアは何のために仕事をするのかと、ジュニアのためです。欲得じゃないですよ。ですから若い人のために何を残すかと、自分が何をしたいかではなく何を残すかと、何を残してあげれば若い青少年少女たちが、夢というか、元気をもらって生きていくかと。そういうことを彼は考えていると思いますね。そこは偉いと思うんですよ。

 そういうところが共通の、全然性格も違うし経歴も違いますけどね、10年間ぶらっと入ってくるんですよ。誰が入ってきてもいいんですよ。ぶつぶつぶつぶつ言って、「じゃあ」って帰っていくんです。あんな人他にいないですよ、来るものは拒まないということでやっていますけど。